コラム

先生の声かけで変わる子どもの自信 育てる言葉と避けたい言葉、即使えるフレーズとフィードバック、家庭連携の実践

子どもの自信は先生の声かけでなぜ大きく変わるのか?

子どもの自信は先生の声かけでなぜ大きく変わるのか。

結論から言うと、先生の言葉は「子どもが自分の能力をどう捉えるか(自己効力感・能力観)」「失敗や成功の原因をどう解釈するか(原因帰属)」「教室で自分は大切にされているか(所属感)」に直接影響し、その結果として挑戦意欲・粘り強さ・学習行動が変わるからです。

以下、心理学や教育学の理論・研究を根拠として、しくみと実践ポイントを詳しく説明します。

1) 自己効力感(Bandura)の観点
– しくみ 自己効力感は「自分はこの課題をやり遂げられる」という見通しで、次の4要素から形成されます。

成功体験、代理経験(他者の成功を見て学ぶ)、言語的説得(励まし・期待の表明)、生理・情動の状態。

先生の声かけは特に「言語的説得」に当たり、さらに適切な課題設定やフィードバックを通じて成功体験を設計し、緊張を鎮める言葉で情動も調整できます。

– 根拠 バンデューラの社会的学習理論は、支持的な言語的説得が実行意図と努力持続を高めると示しています。

教育場面でも、具体的な行動に結びつく励ましは宿題提出率や再挑戦率を上げると報告されています。

2) 原因帰属理論(Weiner)の観点
– しくみ 同じ失敗でも「自分がダメだから」か「戦略が不適切だったから」かで次の行動が大きく違います。

先生のフィードバックが「努力や戦略などコントロール可能な要因」に焦点を当てると、子どもは「変えられる」と感じて再挑戦しやすくなります。

– 根拠 帰属再訓練(努力・方略に原因を置くよう導く)で成績不振の児童生徒が粘り強さと成績を改善する研究が複数あります。

3) マインドセット(Dweck)の観点
– しくみ 能力は固定的か発達的かという信念が挑戦行動を左右します。

先生が「賢いね」などの能力称賛を多用すると固定的能力観を強め、失敗回避に向かいやすい。

一方「工夫した点」「粘り強さ」「戦略の変更」などプロセスを称賛すると、能力は伸ばせるという成長マインドセットが育ちます。

– 根拠 ドゥエックらの一連の研究は、プロセス称賛が困難課題の選択、失敗後の回復、学業伸びにプラスであることを示しています。

近年のメタ分析では効果は小〜中程度で条件依存とされますが、低SESや移行期の生徒に相対的に有効という報告もあります。

4) ピグマリオン効果(教師期待)
– しくみ 先生の期待は、声のトーン、問いかけ頻度、待つ時間、フィードバックの質ににじみ出て子どもに伝わります。

「あなたならできる」という高い期待と具体的支援が合わさると、子どもの自己評価が引き上げられ、実際の達成も高まります。

– 根拠 ローゼンタールとジェイコブソンの古典研究以降、教師期待が学業達成に影響することを示す研究が蓄積。

効果量は場面により異なりますが、期待が行動を介して自己成就予言を生みうる点は再現的です。

5) 自己決定理論(Deci & Ryan)
– しくみ 人は自律性・有能感・関係性という基本的欲求が満たされると内発的に動機づけられます。

先生の言葉が選択肢を示し(自律性支持)、できている点と次の一歩を明確にし(有能感)、努力を温かく認める(関係性)と、自信につながる内的動機が立ち上がります。

逆に「〜しなさい」「なんでできないの?」など統制的言語は不安と依存を高めます。

– 根拠 自律性支持的な教え方が動機づけ、持続、成績、幸福感を高めることが多文化で示されています。

6) フィードバック研究(Hattie & Timperley)
– しくみ 効果的なフィードバックは「どこへ向かうか(目標)」「今どこにいるか(現在の到達)」「次にどう進むか(方略)」の3層を明確にします。

曖昧な称賛より、課題・過程・自己調整に焦点を当てた具体性が自信とパフォーマンスを押し上げます。

– 根拠 可視化された学習やメタ分析で、適切なフィードバックは大きめの教育効果を持つことが示され、特に自己調整を促す言葉が持続的な伸びと関連します。

7) 心理的安全性と誤りに優しい文化
– しくみ 先生が誤答に対して侮辱や嘲笑を許さず、「誤りは学びの情報」と位置づける言葉を使うと、子どもは恥のリスクを恐れず発言・挑戦できます。

これは小さな挑戦の反復を通じて自信を蓄える条件を整えます。

– 根拠 教室の情緒的支援が関与度の高さ、ストレス低減、学習成果と関連することが観察研究で示されています。

実践に落とすためのポイント(声かけの具体例つき)
– 目標を透明化する
– 例 今日のゴールは「理由を2つ添えて意見を書く」。

できているサインは「根拠が明確」「つなぎ言葉が適切」。

– プロセス称賛と記述的フィードバック
– 例 結論を先に書いたから読みやすくなったね。

次は具体例をもう1つ足せるとさらに伝わる。

– 避けたい すごい、天才、賢いだけの抽象称賛。

– 努力・戦略・選択に焦点を当てる
– 例 図に直して考えた工夫が効いたね。

別の方法も試してみる?

– エラーを資源化する
– 例 ここで引っかかったのは分数の約分。

やり方にミスがあっただけ。

いっしょに手順を確認しよう。

– 高い期待+支援(Wise feedback)
– 例 高い基準で見ているからこそ、この部分はもっと良くできる。

あなたなら到達できると信じている。

具体的には…
– 自律性支持の言語
– 例 どちらの方法で進めたい?
理由も教えて。

もし迷うならAから始めて、Bは後で試そう。

– 情動のラベリングと安心づけ
– 例 初めての発表は緊張するよね。

緊張は成長のサイン。

最初の1文だけ一緒に練習しよう。

– 進歩の可視化
– 例 先月は5分で2問、今日は3問クリア。

練習の積み上げが形になっているね。

– リフレクションを促す問い
– 例 うまくいったのはどの作戦?
次は何を変える?
助けが要るのはどこ?

– 公の場と個別の場の使い分け
– 例 厳しめの指摘や繊細な助言は1対1で。

全体では努力や工夫の具体例を共有。

やってはいけないNGパターン
– 能力ラベル貼り(頭のいい子/できない子)
– 比較や恥を使った動機づけ(みんなはできてるのに、どうして君は)
– 過度な救済(すぐに正解を与える)による学習性無力感
– あいまいな称賛(いいね〜)だけで次の一歩が不明
– 統制的・脅しの言語(早くしないと減点、言われた通りにやりなさい)

日本の学校文脈での配慮
– 公の場での指摘は事実と行動に限定し、人格評定は避ける。

称賛も具体の行動記述が安全。

– 集団調和を重んじつつ、個の挑戦を価値づける表現を選ぶ(例 班全体の助けになる挑戦だね)。

– シャイな子には小さな役割成功を積ませ、私的なフィードバックで支える。

期待のバイアスと公平性
– 誰にどれだけ問いかけ・待ち時間・称賛を与えているか記録し、偏りを可視化する。

– 名前の正確な発音、発言の要約返しなど、マイクロアファメーションを意識する。

– 性別・背景によるステレオタイプを言葉で反証する(理科は女子も得意になれる、など)。

効果を高める条件と限界
– 言葉だけでは不十分。

課題設計(適切な難易度=発達の最近接領域)と一貫した関係性が土台。

– 空虚な励ましは逆効果。

行動・証拠に裏付けられた期待を伝える。

– 個人差あり。

内向的な子、完璧主義の子、学習歴の長い不成功体験がある子では、進め方や時間軸を調整する。

– 研究的には、マインドセット介入などの平均効果は小〜中程度。

だからこそ、日常の授業・関係づくりと組み合わせて積み重ねることが重要。

主な根拠の出どころ(平易な言及)
– バンデューラの自己効力感理論 言語的説得と成功体験が挑戦行動を支える。

– ウィーナーの原因帰属理論 努力・方略に帰属させるフィードバックが再挑戦を促す。

– ドゥエックのマインドセット研究 プロセス称賛が成長志向と粘りを高める。

一方、能力称賛は失敗回避を強めうる。

– ローゼンタールらの教師期待研究 教師の高い期待は、関わりの質を通して学習成果と自信に影響。

– デシ&ライアンの自己決定理論 自律性支持・有能感の確認・関係性の温かさが内発的動機と自信を育む。

– ハティ&ティンパリーのフィードバック枠組み 目標・現状・次の手の明確化が学習効果を最大化。

まとめ
先生の声かけは、子どもの能力観、原因帰属、自己効力感、所属感に働きかける最も身近で強力なレバーです。

効果的な言葉は、具体的・プロセス焦点・高い期待と次の一歩の提示・自律性支持・誤りに寛容という共通点を持ちます。

逆に、能力ラベルや比較、統制的な言い方は自信を削ります。

研究は、魔法のフレーズはないが、日々の小さなやり取りの質の積み重ねが、挑戦を続ける子どもを育てることを示しています。

今日の授業から、目標を明確にし、できている具体を言語化し、次の一歩を共に設計する声かけに一つでも置き換えてみてください。

その一言が、子どもの「やってみよう」を支える土台になります。

自信を育む言葉と自信を奪う言葉の違いとは?

先生の声かけは、子どもの自信(「私はやってみてよい」「工夫すればできるようになる」という感覚)を大きく左右します。

ここでいう自信は、単なる「自己肯定感」だけでなく、できる見通しを持ち挑戦に向かう力(自己効力感)、うまくいかなくても立て直せる感覚(レジリエンス)、他者に受け入れられている感覚(所属感)を含むものです。

以下では、自信を育む言葉と奪う言葉の違い、その根拠、そして教室で使える具体表現を整理します。

自信を左右する心理メカニズム(根拠の全体像)

– 成長マインドセット(Dweck) 能力は努力や戦略で伸びるというメッセージは、挑戦・粘り・誤りからの学びを促します。

能力固定のメッセージは、失敗回避や易しい課題選択を促します。

知能称賛より過程称賛がよいという実験(Mueller & Dweck, 1998)が代表例。

– 自己決定理論(Deci & Ryan) 人は自律性(自分で選べる)、有能感(できる手応え)、関係性(大事にされている)の3欲求が満たされると内発的に動機づけられます。

命令・脅し・ご褒美でコントロールすると内発的動機が下がるというメタ分析(Deci, Koestner, & Ryan, 1999)。

– フィードバックの原理(Hattie & Timperley、形成的評価研究) よいフィードバックは「どこまでできたか(Feed up/Back)」「何が次の一手か(Feed forward)」を具体的に伝えます。

単なる称賛や叱責は効果が小さく、学習可能性への道筋を示すと効果が高い。

– 帰属理論(Weiner)と自己効力感(Bandura) 結果の原因を「可変(努力・戦略)」に帰属させる言葉は次の行動を促し、不可変(才能・性格)に帰属させる言葉は無力感を生みやすい。

– 期待と所属感(Pygmalion効果、Rosenthal & Jacobson/Wise Feedback, Cohenら) 高い基準+達成可能性への確信を一緒に伝えると、子どもは「見捨てられていない」と感じ努力を上げる。

公的な恥をかかせる言葉は逆効果。

自信を育む言葉の特徴(例つき)

– 行動と過程に焦点を当てる
例 「手順を自分で考えたのがよかったね」「下書きを増やしたから精度が上がったね」
– 具体的で観察に基づく
例 「図に直して考え直したところ、答えが近づいたね」
– 可変性・成長可能性を示す
例 「まだの部分はあるけれど、こことここは前回より確実に伸びた。

次は○○を試そう」
– 次の一歩(フィードフォワード)を添える
例 「ここまでできた。

次は単位をそろえることに集中しよう」
– 自律性を支える選択肢提示
例 「やり方AとBがある。

どちらから試す?
必要なら一緒に練習しよう」
– 私メッセージと温かさ
例 「挑戦を続けているのを見て、私はうれしいよ」
– 自己比較(過去の自分との比較)
例 「前は途中で止まっていたけど、今日は最後までやり切ったね」
– 誤りを学びの素材に
例 「間違いは手がかり。

どこで考えが変わったか一緒に辿ろう」

自信を奪う言葉の特徴(例つき)

– 人格・才能にラベルを貼る(固定づけ)
例 「君は頭がいい/悪い」「向いてない」「不注意な子だ」
– 他者比較・序列化
例 「○○さんはもうできてるのに」「クラスで君だけだよ」
– コントロール的な脅し・恥
例 「次失敗したら発表させない」「みんなの前で言うよ?」
– あいまいで全否定
例 「ちゃんとして」「何回言わせるの」「全然ダメ」
– 努力を無効化する言い回し
例 「頑張っても意味ない」「早くやればできたのに」
– 公衆の面前での叱責・皮肉
例 「簡単な問題くらいできるよね?」(皮肉は有能感と関係性を同時に傷つける)
– 完璧主義の押し付け
例 「ミスは絶対に許されない」「100点以外はダメ」

よくある場面別の言い換え

– 間違えた解答を黒板で示したとき
育む 「ここまでの考え方は合っている。

分岐のこの点で仮定がずれたね。

ここをどう直せる?」
奪う 「違う。

最初からやり直し」
– 宿題の提出が遅い子
育む 「提出の壁になっているのはどこ?
量・時間・わからなさ、どれ?
一緒に計画を立てよう」
奪う 「また遅れ?
やる気がないなら来なくていい」
– 発言しない子
育む 「考えはある?
短い言葉でOK。

ペアで共有→全体、の順でいこう」
奪う 「なんで黙ってるの。

みんなできてるよ」
– 工作や作文が思い通りにいかないとき
育む 「試した方法を教えて。

次は何を変える?
道具を替える手もあるね」
奪う 「センスがない」「だから言った通りにやれって」

年齢・発達段階の配慮

– 幼児〜低学年 具体的な行動称賛が最も効きます。

「自分で靴をはけたね。

かかとを直したのがよかった」
– 中学年 戦略と言語化の支援。

「表の作り方を自分で考えたね。

次は見出しを付けるとさらに伝わる」
– 高学年〜思春期 自律性と尊重が鍵。

「意見に根拠がある。

反対意見との接点を自分で探してみる?」

日本の学校文化での注意

– 「えらい・賢い」などの人格称賛は短期的には温かく聞こえますが、挑戦回避や失敗不安を高める場合があります。

できるだけ行動・過程・戦略を言語化しましょう。

– 公の場での指摘は最小限に。

誤りは匿名化・作品中心で扱い、具体の改善点を示す。

– 「反省」文化は活かしつつ、必ず「次の一歩」を添える。

「何をやめ、何を続け、何を始めるか」の三点セットがおすすめ。

すぐ使える言葉カード(例)

– 観察→肯定→プロセス→次の一歩
「ここまで自分で調べたね(観察)。

根拠を集めたのがよかった(肯定)。

メモの取り方が整理されてる(プロセス)。

次は見出しを入れて、要点が3つに分かれるか試そう(次の一歩)」
– 成長可能性
「今はまだ途中。

練習でここは必ず伸びる。

練習法はこの2つ、どっちからいく?」
– 誤りのリフレーミング
「この間違いは、考え方が一段複雑になった証拠だね。

分岐点を一緒に見つけよう」
– 高基準+信頼(Wise Feedback)
「このレポートには高い基準を求めるよ。

あなたなら到達できると本気で思っている。

改善の鍵は引用の整え方だ。

ガイドを渡すね」

やってしまいがちな落とし穴と対策

– 過剰な称賛で依存を生む → 観察事実と自己評価を先に引き出し、「自分で気づけた点」を増やす。

– 「努力すれば何でもできる」だけを強調 → 努力の質(戦略・時間配分・支援の使い方)に言及。

– 課題が難しすぎるのに根性論 → 適切な挑戦レベル(ZPD)に調整し、段階化・支援を用意。

– ご褒美や罰で短期的に動かす → ルールは明確化しつつ、内発的価値(意味・選択・関係性)に結びつける。

チェックリスト(授業後1分振り返り)

– 今日、少なくとも3人に「過程称賛」をしたか
– フィードフォワードを一言添えたか
– 他者比較を避け、自己比較で語ったか
– 公の場で恥をかかせていないか
– 子ども自身の言葉で「学び方」を語らせたか

研究的根拠の簡単な紹介

– 成長マインドセット Dweckの研究により、知能称賛は失敗回避と動機低下、過程称賛は挑戦選好と粘りを高めることが示されています(Mueller & Dweck, 1998; Dweck, 2006)。

– 自己決定理論 コントロール的フィードバックや報酬は内発的動機を損なう一方、有能感・自律性・関係性を満たす支援は動機とパフォーマンスを高めます(Deci & Ryan, 1985; Deci, Koestner, & Ryan, 1999)。

– フィードバック効果 Hattie & Timperley(2007)は、タスク・プロセス・自己調整レベルの具体的フィードバックが学習効果を高めると整理。

Black & Wiliam(1998)は形成的評価が学習を大きく促進することを示しました。

– 期待と帰属 Rosenthal & Jacobson(1968)の教師期待効果、Cohen, Steele, & Ross(1999)のWise Feedbackは「高い基準+信頼」のメッセージが成績格差を縮小することを示唆。

Weinerの帰属理論とBanduraの自己効力感研究は、可変要因への帰属と言語化が粘りと達成を支えることを示します。

– 公的羞恥の弊害 教室での嘲笑や皮肉は所属感を損ない、成績にも長期的影響を及ぼす可能性があることが国際研究で繰り返し報告されています(例 教師の否定的行動と生徒の関与の負の関連)。

まとめ
自信を育む言葉は、行動・過程・具体性・可変性・次の一歩・自律性・温かさを備えています。

反対に、自信を奪う言葉は、人格ラベル・他者比較・コントロール・曖昧な全否定・公的羞恥に特徴づけられます。

大切なのは「うまい言い回し」そのものより、言葉が伝えるメッセージ(あなたはここで成長できる/私はあなたを見ている/次に進む道がある)です。

日々の小さな声かけの積み重ねが、子どもたちの挑戦する勇気と学び続ける力を確かに育てます。

今日から使える具体的な声かけフレーズは何か?

子どもの自信は「自分はできるかもしれない」という感覚(自己効力感)や「努力すれば伸びる」という見通し(成長マインドセット)によって大きく変わります。

先生の一言は、その日の行動だけでなく、先の挑戦の可否まで左右します。

今日からすぐに使える具体的な声かけと、その根拠を場面別にまとめます。

基本原則(これだけ意識すれば、どのフレーズも効きます)
– プロセスをほめる(結果や才能ではなく、工夫・試行・粘り・戦略)
– 観察に基づく具体さ(事実→評価→提案の順)
– 比較しない(他者比較ではなく、過去の自分との比較)
– 高い期待+温かい支援(できると信じ、必要な助けは惜しまない)
– 失敗の再定義(情報・仮説の材料として扱う)
– 選択肢を渡す(自分で選ぶ経験が自信を育てる)
– 感情と言語を結ぶ(不安や達成感に名前をつけて整える)
– 次の一歩を明確にする(小さく具体的な「次にやること」)

授業開始・関係づくり
– 「昨日よりも板書の写し方が速くなってるね。

どんな工夫をしたの?」
– 「今日の目標は『一回は質問する』でいこう。

応援するよ。


– 「休み時間の片付け、最後までやりきってくれて助かった。

クラス全体の準備が早くなったよ。

取り組み前(不安が強い子に)
– 「今できていることはここ。

次はこの一歩だけやってみよう。


– 「AとB、どちらのやり方で試す?
選んでみて。


– 「5分タイマーで“まずは始める”に集中しよう。

始められたら合図して。

取り組み中(伴走するとき)
– 「今の下書き、例を2つ入れたのが読みやすさにつながってる。

さらに良くするなら結論を先に置くのはどう?」
– 「計算の見直しを声に出してやってみて。

途中でつまずいた箇所を一緒に見つけよう。


– 「手が止まったら『何が分かって何が分からないか』をメモしてから呼んで。

つまずき・失敗のとき
– 「うまくいかなかった“やり方”を見つけられたね。

次の仮説はどう立てる?」
– 「ここまでの試行は3回。

増やした工夫は2つ。

データが集まってきた、次はどれを残す?」
– 「悔しい気持ち、自然な反応だよ。

落ち着くために1分だけ深呼吸→再開プランでいこう。

成果の振り返り・提出後
– 「正解も良いけれど、途中式の整え方が安定してきたのが一番の伸び。

再現できるね。


– 「前回よりもアイデアの数が増えた。

次は『根拠を1つ足す』に挑戦しよう。


– 「自分が工夫した点を1行で書いてみよう。

私のコメントもそこに合わせるね。

態度・行動を支える称賛(望ましい行動を増やす)
– 「指示のあと10秒で席に着けたのがクラスの集中を作った。

ありがとう。


– 「友だちの発言に最後まで顔を向けて聞けていた。

安心して意見が言える空気になったよ。


– 「分からないときに『分からない』と言えたのは強さ。

そこから始められる。

発言を促す
– 「完璧じゃなくて大丈夫。

途中の考えを聞かせてくれるとクラスが助かる。


– 「一文でいいから“ここまで分かったこと”を共有してくれる?」
– 「今の説明、最後の言葉だけ強めに言い直してみよう。

伝わりやすくなるよ。

グループ活動
– 「役割を自分で選べるよ。

話し手・まとめ役・記録、どれで貢献する?」
– 「相手の案の“良いところを1つ足す”言い方で返してみよう。


– 「時間配分を決める人がいると進むよ。

誰がやる?」

粘り・持続を引き出す
– 「今のあなたにちょうど良い“難しさ”だね。

あと3分だけ踏ん張って、区切ろう。


– 「昨日の自分を1ミリ超えたらOK。

今日はどこで1ミリ伸びた?」
– 「途中の休憩は作戦。

休んだら戻る、を一緒に練習しよう。

テスト前後
– 「点数は“写真”、学びは“動画”。

今回は何の場面が伸びた?」
– 「見直しのチェックリスト、どれが効いた?
次回は最初にそれを使おう。


– 「ミスはパターンがあるね。

『読み違い』『計算の符号』のどちらが多い?」

短い万能テンプレ(困ったらこれ)
– 気づき→根拠→次の一歩
例 「途中式をそろえて書いていたね(気づき)。

だから見直しで2問見つけられた(根拠)。

次は単位も式のすぐ後に書こう(次の一歩)。


– 選択肢→任せる→支援表明
例 「説明文か図解、どっちでまとめる?
君が決めて。

必要なら途中で合図して、手伝うよ。


– 感情ラベリング→正常化→行動
例 「不安って感じてるね(ラベリング)。

大事なときほど出る普通の反応だよ(正常化)。

深呼吸3回→最初の1問だけ、やってみよう(行動)。

学年別の言い換え
– 低学年 短く具体的に。

「線をまっすぐ引けたね。

次はここまで引こう。


– 中学年 理由づけを加える。

「例を入れたから、読む人に分かりやすいね。


– 高学年〜中高 メタ認知を促す。

「今回うまくいった戦略はどれ?
次に再現するとしたら最初の3分で何をする?」

毎日のルーティン(合計1分でできる)
– 授業冒頭の三語セット 「今日のねらい」「できていること」「次の一歩」
– 作業中の合言葉 「途中で呼んで」「証拠を見せて」「次の一手は?」
– 終わりの確認 「今日の自分の工夫を1行」「友だちの良かった点を1つ」

避けたい言い方(自信を削りやすい)
– 「頭がいいね/センスある」など才能固定の称賛(努力や戦略への関心が下がる)
– 「みんなできてるのに」「なんでできないの」など他者比較・人格評価
– 「簡単だよ」不安の無視(できないと“自分だけおかしい”と感じる)
– やみくもな「がんばって」だけ(何をどう頑張るかがない)
– 条件付きの承認「できたら好き/えらい」(失敗を避ける動機づけになる)

効果の根拠(要点)
– 成長マインドセットとプロセス賞賛 才能より努力・戦略を評価する声かけは、挑戦選好と粘りを高めます。

Mueller & Dweckの研究では、能力称賛が失敗回避を招く一方、努力称賛は挑戦を促進。

– 自己効力感(Bandura) 自信の源は成功体験・代理経験・言語的説得・情動調整。

先生の具体的な励まし(言語的説得)と小さな成功に焦点を当てる設計が「できる感」を高める。

– フィードバックの効果(Hattie) 具体的・タイムリーなフィードバックは大きな学習効果。

事実に基づく「ここができている/次はここ」が最も有効。

– 自己決定理論(Deci & Ryan) 有能感・自律性・関係性が満たされると内発的動機が高まる。

選択肢の提示や温かい関わりが鍵。

– 教師期待効果(Rosenthal) 高い期待を明確に伝え、達成可能な支援を与えることで成績・自信が伸びる。

声のトーンや言葉の選び方が実際の機会提供につながる。

– 行動分析の知見 望ましい行動を具体的に称賛すると、その行動の頻度が増える。

行動(例 発言前に手を挙げる)を描写的に強化するのが有効。

実装のコツ(続けやすくする)
– 1日1人、ノートの余白に「プロセス賞賛」を記録。

偏りを防げます。

– 同じフレーズを学級共通言語に。

「次の一歩は?」をポスター化。

– タイマーやカードで「まず始める」「途中で呼ぶ」などの合図を共通化。

– 自分の口ぐせを1つだけ置き換える。

例 「頑張って」を「最初の3分だけやってみよう」に。

最後に
自信は“上手くいった事実”だけでなく、“上手くいくプロセスを自分で選び、調整できた体験”から育ちます。

先生の一言が、その体験の枠組みを作ります。

今日から、事実に触れ、努力と戦略を言語化し、次の一歩を示す声かけに置き換えてみてください。

小さな積み重ねが、挑戦を当たり前にする学級文化をつくります。

失敗や叱責の場面でどのようにフィードバックすればいい?

ご質問ありがとうございます。

失敗や叱責の場面での声かけ・フィードバックは、子どもの「自信(自己効力感)」や学び続ける姿勢を左右する重要な要素です。

以下では、心理学・教育学の根拠に基づき、原則→具体的な言い換え例→実践ステップ→注意点の順で詳しく解説します。

最後に根拠となる研究も示します。

前提となる考え方(なぜ声かけで自信が変わるのか)

– 自己効力感(Bandura) 自分はできる/できそうだという感覚が行動を支えます。

成功体験、他者からの説得、感情の安定が高めます。

教師の言葉は「社会的説得」として大きな影響を持ちます。

– 成長マインドセット(Dweck) 能力は努力と戦略で伸びるという見方。

失敗を「情報」として扱う声かけで、挑戦と粘り強さが育ちます。

– 帰属理論(Weiner) うまくいかなかった原因を「変えられるもの(戦略・努力・時間配分)」に結びつけると、次の行動意欲が高まります。

能力など「変えにくいもの」に結びつけると自信が下がりやすい。

– フィードバックの階層(Hattie & Timperley) タスク(何が正しい/誤りか)→プロセス(どうすればよいか)→自己調整(自分でチェック・修正する方法)→自己レベル(人柄評価)。

有効なのは主にタスク・プロセス・自己調整への具体的フィードバックで、自己レベル(「えらい子だね」など)は効果が弱いか、時に逆効果です。

– 自己決定理論(Deci & Ryan) 自律性・有能感・関係性が満たされると内発的動機づけが高まります。

押し付けや恥を与える言い方は自律性を損ない、動機低下に繋がります。

失敗の場面でのフィードバック(子どもの自信を守り育てるために)
基本原則

– 失敗=学習の手がかりとして中立的に扱う(羞恥化しない)
– 行動・戦略・過程に焦点を当てる(人格評価を避ける)
– 具体的・即時・短く、次に何をすればいいかが分かる
– 一度で直らなくて当然というメッセージ(再挑戦の機会の設計)
– 子ども自身の気づきを引き出す(問いかけで自己調整を促す)

言い換え例(使えるフレーズ)
– 事実の確認+できている点の特定 「ここまでは正しく進められたね。

特に図の書き方が丁寧だった。


– 誤りの特定を中立に 「この計算の符号だけがずれている。

直し方を一緒に確認しよう。


– 次の一手を明確に 「次は、公式をメモしてから進めてみよう。

3行でまとめるのがコツだよ。


– 戦略への称賛 「やり方を変えて再挑戦したのがいいね。

さっきより見直しの時間を確保できた。


– 自己評価を促す問い 「一番難しかったのはどこ?
次は何を変えてみたい?」
– 回復可能性の提示 「いまの間違いは、手順を1つ足すだけで直せる種類のものだよ。


– 進歩の可視化 「前回は途中で止まったけど、今日は最後まで行けた。

回数を重ねると安定してくる。

実践ステップ
– フィードアップ(目標の明確化) ゴールの基準を先に示す。

「合格ラインは3つの根拠を書くこと。


– フィードバック(現状とのギャップ) どこが基準に届いたか/届いていないかを具体に。

「根拠は2つ書けた。

もう1つはデータを加えると良い。


– フィードフォワード(次にどうする) すぐ試せる行動指示。

「見本の3段落構成をまねして、根拠を1段落足そう。


– リトライの設計 再提出ややり直し時間を確保。

「5分直して再提出しよう。

直した点に丸をつけてね。


– 進歩の記録 ルーブリックやチェックリストで自己評価→成長を見える化。

「今回の自己評価は3→次回の目標は4。

避けたい言い方(なぜか)
– 能力固定化を示唆 「向いてない」「センスがない」(能力帰属で自信低下)
– 人格評価・皮肉 「だらしないね」「なんでこんな簡単なのも」(自己レベルへの攻撃)
– 空虚な努力称賛 「頑張ったからOK」(戦略が不十分でも学びが止まる)→努力そのものではなく、努力の質や工夫を特定して称賛
– あいまいな指示 「もっとしっかり」(具体性がなく行動に結びつかない)

短いモデル会話
– 教師 どこでつまずいたと思う?

– 子ども 途中計算を飛ばしました。

– 教師 そこに気づけたのは大きいね。

次は途中式を2行書くルールにしよう。

今からそのやり方で1問だけやり直してみよう。

叱責の場面でのフィードバック(秩序を保ちつつ自信を守る)
目的は罰ではなく、行動の改善と関係の維持です。

子どもが恥で固まらず、次の選択を自分でとれるよう支援するのが鍵です。

基本原則
– 公の場で羞恥を与えない(可能なら短く私的に)
– 行動に焦点(人格・動機の決めつけを避ける)
– 期待する行動を具体に提示(何をやめるかだけでなく、何をするか)
– 短く、落ち着いた声で、感情が高ぶっていれば一時中断してから
– 回復の道筋を用意(リペア・償い・再契約)

4ステップ(NVC・回復的実践に基づく簡潔型)
– 観察 評価を交えず事実のみ。

「今、話している最中に机から立ち歩いたね。


– 影響/理由 ルールの意味を共有。

「説明が聞こえにくくなって、みんなが困っている。


– 期待 望ましい行動を具体に。

「あと5分は席に座り、メモを2つ取ってほしい。


– 支援・選択肢 やり方を一緒に決める。

「座りやすい席に移る?
それともタイマーを使う?」

言い換え例(実際のフレーズ)
– 「うるさい」→「今は説明の時間。

声のボリュームを1にして、質問は手を挙げてから。


– 「だめ、やめなさい」→「今は安全のルールを守る時。

ハサミはケースに入れて、片付けを手伝って。


– 「何回言わせるの」→「次に同じ場面になったら、最初にどう動く?
一緒に合図を決めよう。


– 「サボっているの?」→「始めるのに何が必要?
問題のどこからなら取りかかれそう?」

叱責後のフォロー(関係修復)
– 短いリペア 「さっきは強い言い方になってごめん。

あなたが次にできる方法を一緒に考えたい。


– 行動の再契約 「次の授業で、最初の2分は席に座って準備する。

合図は目を合わせて親指を立てる、でどう?」
– うまくできたら即時承認 「今の始め方、合図ですぐ動けたね。

助かったよ。

場のデザイン(叱責を減らす予防)
– ルールは「禁止の列挙」ではなく「望ましい行動の記述」で3~5個に絞る
– 期待行動を教える→練習させる→できたら頻繁に認める(肯定是正=4~51を目安)
– 合図・ルーティン(開始・移動・片付け)を共通化
– 注意は可能な限り私的・短く・具体に。

全体へは期待の再提示で代替する

学年・個人差への配慮

– 低学年 短い言葉と視覚サポート(ピクト、チェックリスト)。

行動のモデリングと練習を重視。

– 中高学年 理由の共有、自己評価、目標設定を取り入れる。

問いかけ中心で自己調整を促す。

– 発達特性のある子 注意喚起の前倒し、選択肢の提示、タイマーや視覚手順。

公的叱責は避け、成功のスモールステップを設計。

よくある落とし穴と対策

– 人格・能力へのラベリング 行動・戦略に言い換える。

「不注意」→「見直しの手順を飛ばした」
– 努力称賛の乱用 努力の質・工夫・継続可能な戦略を特定して承認
– 過度の同時フィードバック 1回につき重点は1~2点に絞る
– 指摘だけで代案がない 必ず「次にどうするか」を1つ示す
– 怒りのまま叱る クールダウン後に短く、再学習の機会を設ける

すぐ使えるミニスクリプト集

– 失敗時
– 「この部分の考え方は合ってる。

次はここに図を足してみよう。


– 「解き直しのヒントは3行上にあるよ。

どれだと思う?」
– 「前回より開始が早くなった。

今日は“見直し1分”を最後に足そう。


– 叱責時
– 「今は聞く時間。

ペンを置いて目をこちらに。

30秒だけ。


– 「隣の人が困っている。

配慮の仕方を2つ選ぼう。

席を離れる/声を小さくする、どっち?」
– 「次回同じことが起きたら、合図で席に戻る。

練習しよう。

効果の根拠(主要研究の要点)

– Dweckの成長マインドセット研究 失敗を学習機会とみなし、過程や戦略を称賛することで粘り強さが増す(Mueller & Dweck, 1998)。

一方、能力称賛は失敗回避や不安を高めうる。

– Hattie & Timperley(2007) 効果的なフィードバックは「どこへ向かうか(目標)」「今どこか」「次にどう行くか」を明確にし、タスク・プロセス・自己調整レベルへの具体性が学習を促進。

自己レベルの称賛は効果が低い。

– Kluger & DeNisi(1996)メタ分析 フィードバックの約3分の1は成績を下げる。

自己への注意を増やすフィードバックは逆効果になりやすく、課題への注意を促すものが有効。

– 自己決定理論(Deci & Ryan) 自律性を支えるフィードバックは内発的動機を高める。

統制的・脅し的な言い方は動機を損なう。

– Banduraの自己効力感 マスタリー経験、モデル観察、社会的説得、情動の安定が源。

教師の具体的・信頼できる励ましは自己効力感を高める。

– Weinerの帰属理論 失敗原因を可変・統制可能な要因(戦略・努力・時間配分)に帰属させると、期待と努力が維持される。

– 失敗観の研究(Haimovitz & Dweck, 2016) 大人が「失敗は学びを高める」と公言し、そう扱うほど、子どもは挑戦を恐れにくい。

– 学級経営・PBISの知見 肯定的相互作用を是正より多く(4~51)提供すると、関与と行動が安定するという報告が蓄積。

参考文献(日本語での入手可能な概念要約が多いものを含む)
– Dweck, C. S. (2006). Mindset The New Psychology of Success./Mueller, C. M., & Dweck, C. S. (1998).
– Hattie, J., & Timperley, H. (2007). The Power of Feedback.
– Kluger, A. N., & DeNisi, A. (1996). The effects of feedback interventions A historical review, meta-analysis.
– Bandura, A. (1997). Self-efficacy The exercise of control.
– Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2000). The “what” and “why” of goal pursuits.
– Weiner, B. (1985). An attributional theory of achievement motivation and emotion.
– Haimovitz, K., & Dweck, C. S. (2016). What predicts children’s fixed and growth mind-sets?
– Simonsen, B., et al. (2008). Evidence-based practices in classroom management.(肯定是正比に関する知見)
– Rosenberg, M. (2003). Nonviolent Communication.
– Wachtel, T. (2013). Defining Restorative.

まとめ
– 失敗は情報、叱責は改善の支援。

行動・戦略・次の一手に焦点を当てることで、子どもの自信と挑戦心はむしろ強くなります。

– 短く具体に、私的に、尊厳を保ち、再挑戦の機会をセットに。

これが「自信を育てる叱り方・伝え方」の骨格です。

– 今日から、指摘は1点に絞る、次の行動を1つ提案、成功したら即時承認。

この3点だけでも教室の空気が変わります。

教室と家庭で連携し自信を継続的に伸ばすにはどうする?

ご質問のポイントは、先生の声かけ(言語的フィードバック)を核に、教室と家庭が同じ方向・同じ言葉で子どもの自信(自己効力感・有能感)を継続的に伸ばす仕組みづくりだと思います。

以下では、実践の全体設計、具体的な声かけと道具、連携の運用、測定と振り返り、そして裏づけとなる理論と研究根拠をまとめてお伝えします。

まず押さえたい原則(学校と家庭で共有する「共通言語」)

– プロセス志向の称賛に統一する
– 能力や結果より、努力の質・戦略・粘り・工夫を言語化してほめる。

– 例(先生) 「答えが出せた理由を説明してくれて助かったよ。

途中で図に直した作戦が効いたね。


– 例(家庭) 「30分ごとに区切ってやる工夫ができたね。

前より集中が続いたよ。


– 具体・行動記述型のフィードバックにする
– 「すごい」ではなく、「〜したから、〜になった」という因果を明示。

– 例 「段落の最初に要点を書いたから、読み手が理解しやすくなったよ。


– 成長の語彙を揃える
– 「まだ」「作戦」「やり直しは練習」「うまくいかなかった学び」など、エラーを前進に結びつける言葉を学校・家庭で共通に使う。

– 自律性を支える言い方を選ぶ
– 命令や比較を避け、「選択」「理由」「共感」を入れる。

– 例 「どの方法から試す?
理由を一緒に考えよう。

」/「不安なのは自然だよ。

小さく始めてみよう。

授業と家庭をつなぐ具体の仕組み

– 週1の「成長ジャーナル」を共通ツールに
– 子ども自身が「今週できたこと/使った作戦/次の一手」を3〜5行で記録。

先生が1行のプロセス称賛、保護者も1行返信。

– 例 できた=「分数の通分で共通倍数を表に書いた」 作戦=「例題を声に出して説明」 次の一手=「図で書く→式にする順でやる」
– 共有ルーブリック(3〜4観点)で「見える化」
– 観点例 「作戦の言語化」「粘り(再挑戦)」「助けの求め方」「ふり返りの質」。

– 先生・子・家庭が同じ基準で自己評価・相互評価を行い、微細な伸びを捉える。

– フィードバックの往復を短周期で
– 授業 Exitチケットで「今日の作戦」1行 → 家庭 同じ夜に「その作戦を家関係で1回試す」 → 次の授業で共有。

– 成功体験の設計(達成可能性60〜80%の課題帯)
– 先生は「少し難しいが手が届く課題」を段階提示、家庭は「小さな成功を切り出す」(10分で終わるサブタスク化)。

– エラー歓迎の合図を揃える
– 先生 「いいエラー!次の仮説は?」/家庭 「うまくいかない部分がわかったね。

次は何を変える?」
– ポートフォリオで「努力の軌跡」を保存
– 初稿→修正版、計画→実行→ふり返りのセットを写真・音声で蓄積。

三者懇談や生徒主導型面談で披露。

– ポジティブ電話・メッセージの定期化
– 月1回は「うまくいった具体」を家庭に短報。

家庭も「家での具体」を学校へ返す。

学校と家庭の役割分担とサンプル声かけ

– 先生側
– 毎時「行動記述のプロセス称賛」を1人1回以上。

目標は称賛 指摘=3〜4 1。

– 例 「途中で表に整理したのが効いた。

次は単位も書き添えよう。


– 援助要請スクリプトを教える 「ここまでやってみたけど、次の一歩がわかりません。

ヒントをください。


– 家庭側
– 宿題の前後に固定の二問 
1) 前 今日の作戦は?
(例 声に出す/図にする)
2) 後 次に変えたい一点は?

– 例 「今日はどの順番でやる?
自分で決めていいよ。

」/「途中で席を立たずに10分やれたね。


– 共同のミニ目標(2週間)
– 例 「図で表現→式にするを毎回やる」「『まだ』を自分で言う」。

– 先生が授業でリマインド、家庭はチェックシールで可視化。

継続のための運用フレーム(90日ローンチの例)

– 0〜2週 現状把握
– 自己効力感ミニ質問(例 0〜10で「この教科で頑張ればできると思える」)、称賛の頻度を教師自身で自己記録。

家庭へ「共通言語シート」を配布。

– 3〜6週 コア実装
– 成長ジャーナル開始、共有ルーブリック簡易版、週1ポジティブ連絡。

– 7〜10週 微調整
– 子ども主導の面談5分×1回/人を実施。

阻害要因(時間帯、難度設定、言葉の癖)を特定して修正。

– 11〜13週 可視化と祝う
– ルーブリックの伸びをグラフ化、ポートフォリオ展示。

「努力の質」に焦点を当てた称賛で締めくくる。

よくある落とし穴と回避策

– 能力称賛・比較の習慣
– 回避 プロセス・戦略・努力の質に限定した言語をテンプレ化。

– 過度で空疎な称賛(インフレ)
– 回避 具体性と因果を必ず入れる。

「なぜ良いか」を10秒で。

– 外的報酬の乱用で内発的動機づけを損なう
– 回避 シール等は「努力の記録」用途。

ごほうびは活動そのものの価値と言語的承認で補う。

– 失敗の扱いが不一致
– 回避 家庭と学校で「失敗=データ」という合意。

エラー分析フォーマットを共有。

– 一律実践で個の特性を無視
– 回避 感覚過敏や評価不安のある子には、非公開の称賛や文章・スタンプなど代替手段を用意。

成果測定とフィードバックの質の可視化

– ミニ自己効力感(教科別・行動別)を月1回3問
– 例 「頑張ればこの教科で成長できる」「難題に出会ってもやり方を変えて続けられる」「助けを求める方法を知っている」
– 称賛の質チェック(先生・保護者ともに週1回)
– チェック項目 具体性、プロセス焦点、因果、自己決定支援(選択・理由・共感)
– 行動指標
– 自発的再挑戦回数、援助要請の質、ふり返りジャーナルの充実度、課題への滞在時間など。

研究的根拠(要点)

– 自己効力感理論(Bandura)
– 自信の主要源は、達成経験、代理経験、言語的説得、生理的情動状態。

先生・保護者の具体的な言語的説得と小さな達成経験の設計が自己効力感を高め、挑戦行動と粘りにつながる。

– 成長マインドセット(Dweck 他)
– 能力は努力と戦略で伸びるという信念を支える「プロセス称賛」「ミスからの学びの再定義」が有効。

大規模メタ分析では効果量は小〜中程度だが、学業的リスクの高い層で有意な効果が大きくなる傾向。

学校と家庭で一貫したメッセージが効果を強める。

– プロセス称賛の縦断研究(Gunderson 2013)
– 幼児期に「努力・戦略」をほめられた子は、小学校高学年で挑戦志向と持続性が高い。

– インフレ称賛の逆効果(Brummelman 2014)
– 自尊感情の低い子に過度な称賛は失敗回避を促し挑戦を減らす。

具体・等身大の称賛が望ましい。

– 自己決定理論(Deci & Ryan)
– 自律性・有能感・関係性が満たされる環境は内発的動機づけとパフォーマンスを高める。

命令・統制的言語は逆効果。

学校・家庭双方の「自律性支援」が鍵。

– 形成的評価とフィードバック(Black & Wiliam、Hattie)
– 明確な目標と具体的フィードバック、自己評価の促進が学習効果を大きく高める。

Hattieの統合分析では、良質なフィードバック、自己評価、教師−生徒関係が大きめの効果量を示す。

家庭との目標共有はこの効果を持続させる。

– 行動記述型称賛(Behavior-Specific Praise)
– 学級経営・PBIS領域で、具体的行動を特定してほめる実践は課題従事と望ましい行動を増加。

称賛 指摘比率3〜4 1以上を目標にすると行動が安定しやすいという報告が蓄積。

– 家庭−学校連携(Epstein)
– 学習に焦点を当てた協働(目標・ルーブリック・進捗の共有)と親の効果的な学習支援は学業・態度・出席の改善と関連。

メッセージの一貫性が重要。

すぐ使える簡易テンプレート

– 成長ジャーナル(子ども)
– 今日の作戦 
– うまくいった理由 
– 次の一手 
– 1行フィードバック(先生・保護者)
– 「あなたが[行動]したので、[結果]になった。

次は[具体提案]を試そう。


– 援助要請スクリプト(子ども)
– 「ここまで自分でやったことは[…]。

今つまずいているのは[…]。

ヒントを1つください。

文化的・個別配慮

– 直接的称賛に慣れない子には、行為への感謝や成果物へのコメントを中心に。

公開称賛が負担なら、個別メモやスタンプで。

– 第二言語話者・神経多様性の子には、視覚支援(チェックリスト・ピクト)、短文の称賛、予告型の指示で負荷を調整。

まとめ
– 学校と家庭が「プロセス称賛」「自律性支援」「小さな達成経験の設計」「エラーをデータ扱い」という4本柱で言葉と仕組みを揃えると、子どもの自己効力感は日々の実践の中で蓄積されます。

週単位の短いフィードバックループ、共有ルーブリックとポートフォリオ、具体的で過不足ない称賛が継続のカギです。

研究的にも、自己効力感・形成的評価・行動記述型称賛・家庭連携の各領域がこの方向性を支持しています。

まずは「成長ジャーナル+1行フィードバック」を今週から始め、2週間ごとに小さな目標を共に更新していくことをおすすめします。

【要約】
先生の言葉は自己効力感・原因帰属・マインドセット・教師期待・自律性/有能感・フィードバック・心理的安全性に働き、挑戦意欲と粘り強さを高める。能力称賛より過程や戦略を具体的に認め、選択肢の提示と温かい期待、誤りを学びと捉える文化づくりが自信と学習行動を促進する。

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